大島小島のあい通る船は、江差通いかなつかしや・・・
追分節にうたわれた、松前の沖に浮ぶ大島と小島とは、昔は船人たちの目標になり、時には秘密の取引の場所にもなったそうです。
現在でも夏の間わずかに出稼ぎする者がある以外には、まったくの無人島ですから、世間をはばかる者にとっては、究党の仕事場であったにちがいありません。
大島には海賊のかくした宝物があるとか、小島は松前藩がここを根拠地にして、大陸との間で禁制の密貿易を行なった・・・などともいわれています。
波荒い日本海に捨てられたような二つの島は、たしかにそうしたことを人に納得させるような姿です。
札幌旅行ばかりではなく、こうした閑散とした土地もまた北海道らしくていいものですよ。
小島の方は松前に近く、松前の南西30キロで周囲4キロ、島の地図には難風を避ける船繋りの澗以外の地名はありません。
夏になると能登の輪島から海女がやってきて、海草やサザエ、アワビなどを採取するので、いくらか人の臭いもあり、海女の来る頃にはオロロン鳥(ウミガラス)も渡ってきて、島は一時にぎやかになります。
しかし、9月いっぱいで彼女たちが引揚げると、島の東にぽつんと無人灯台が残るだけになるのです。
大島は松前の西72キロ、周囲16キロありますが、よほど天気のよい日でないと本島からその姿を見ることはできません。
小島と同じように便船以外に交通の便はなく、やはり難風のときの避難場所としてピカタ(西南風)泊、アイ(北風)泊、ヤマセ(東風)泊などがあるだけです。