アメリカのような世界における最大生産地域の生産急減は、通常、世界の食糧安定に深刻な影響を及ぼすものです。
しかしそうならなかったのには次の3つの理由があります。
第1に、北米地域の生産低下は他の国、特にオーストラリア、中国およびソ連の生産上昇によって相殺され、世界の食糧産出高の減少は1%以下にとどまりました。
第2に、いずれにしても、短期的には、1982年から繰り越された大量の食糧在庫が生産減少を十分補うことができたでしょう。
第3に、開発途上国全体の食糧生産は増大し、これまでの2力年と同程度の一人当り生産水準を維持することができました。
・・・従って、開発途上国の世界市場からの総輸入需要は1981年~1982年の水準にとどまりました。
ほとんどの食糧産品の世界生産が減少し記録しました。
主要な例外は肉類で、これは、飼料価格の上昇が、需要停滞にもかかわらず、家蓄の屠殺率を高めたことによるものです。
世界の穀類生産は、主として米国の約40%減(注b)を反映して、6%低下しました。
西欧の穀類生産も、財政的制約から欧州共同体の保証穀物価格の引き上げ幅がコスト上昇を下回ったごともあり、減少しました。